平成生まれの寡黙OLが昭和アットホーム企業で働く

平成生まれの寡黙OLが昭和アットホーム企業で働く

平成生まれの寡黙OLが昭和アットホーム企業で働く

「ねぇ~なんかお尻がすっごい痛いんだけど!」

隣の席の女性は入社2日目の私に向かって確かにそう言った。私はもう妹か何かになったのか。

ブログを書こうと思い立った話

このサイトはヌレセパという”めおとロックバンド”の公式HPで、私は歌担当で妻のエモトモエ23歳。

音楽活動をしながら派遣社員として働いていて、前職はIT企業の正社員だった。

前職と現職とのギャップが新鮮すぎて、面白いことがあったらすべてブログに書いてしまえと思い立つ。

エモトモエのブログでは「どこに行った」とか「何をした」とか、とりとめのない記事を”ですます”調で書いてきたが、この企画「平成生まれの寡黙OLが昭和アットホーム企業で働く」は日記っぽく”だ・である”調で書いてみようと思う。

寡黙OLとは名乗るものの、極端にコミュニケーションを嫌っているわけではない、と思う。

ただ、下に書く寡黙IT企業時代が長かった影響もあってか、心を開いてもよい(害がない、あるいは仲良くなりたい)と判断した人間以外との密な会話は好まず、基本的に話さなくていいならそれが一番いいと思っている。

そして、このブログの舞台”昭和アットホーム企業“に、私が密な会話をしたいと思える先輩は、残念ながらいない。

寡黙IT企業時代の話

私は高校卒業後、知り合いのツテでIT企業に就職し、大手のシステム系会社に派遣されて5年を過ごした。

初めての職場となるそこは自社所有の高層ビルで、1フロアに100人以上が働いていて、ほとんどの人間がシステムエンジニアという環境のせいか、静かでキリッとした空間だった。

人と人との距離感も私好みに離れていて、私は直属の上司の年齢も知らず(もっとも、その上司の年齢はグループ内でも謎だったのだが)、一日に発した言葉が朝と帰りの挨拶だけということもたびたびあるような日々だった。

そんな中でも気の合う人や話すと面白い人を見つけ、ランチを食べたり、女子会と称して数か月に一度集まったりするようなことはあったから、寂しかったということは全くない。

むしろ、近付きたい人には近付き、そうでない人とは業務上のやり取りのみで完結できる、私にとっては素晴らしい環境だった…と今は強く思う。

派遣会社からの忠告

なんやかんやあって、私は上記の寡黙IT企業を辞め、派遣会社に登録した後、昭和アットホーム企業で働くことになった。

思い返せば、派遣会社の人にその企業を紹介してもらうとき、こんなやり取りがあった。

〈そこの人、ちょっとセクハラ的な絡みをしてくることがあるらしいんですが、大丈夫ですか?〉

それに対する私の返答はこうだった。

「それはサラッと流して良いんですよね?だったら大丈夫です。」

”セクハラ的な絡み”以上にたくさんのものを流しながら過ごしていくことを、その時の私はまだ知らない。

飛び込んだ昭和アットホーム企業

小さいが日本各地に支店を持つその会社で、私は本社の経理課に配属された。

ここで、今後頻出するであろうメンバーについて紹介をしておきたい。年齢層と性別、そして概要や人柄を象徴するエピソードを記載するが、印象などは完全に私の主観だ。ちなみに、名前はすべて偽名である。

①社長

60代前半の男性。お喋り好きのうわさ好き。おふざけとお下品な話も好き。社員からの電話に出るときは「は~い○○だよ~」と自分の苗字を言う。

②副社長

60代前半の男性。やわらかい雰囲気。仕事が好きでこだわりが強い。過去、仕事のできる派遣社員が業務改善の提案をしたら、「ウチにはウチのやり方がある!」と断固拒否して関係が悪くなり、派遣社員は早々に退社したそう。

③藤森さん

40代後半の男性。私の直属の上司にあたる。小学1年生になる息子さんがいる。元営業マンだからか饒舌で、冗談をよく言うお調子者。いじられ役。よく「えへへぇ」と笑っている。偽名はオリエンタルラジオの藤森さんっぽいことから。

④蜜さん

40代前半の女性。愛知に長くいたことがあり(?)時々訛る。社長と副社長に可愛がられていて、特に副社長との雑談が多い。やや幼い印象だが、実は男児2人?を育てるシングルマザー。いつも綺麗に髪を巻いている。偽名は壇蜜さんのモノマネが出来そうな声質をしていることから。一人だけ下の名前っぽいのはなんとなく。

⑤柴田さん

30代後半の女性。保育園に通う子供がいる。私と同じ派遣会社から来ている派遣社員だが非常にこの会社に馴染んでいる。よく社長のつぶやきを拾い、藤森さんに雑談を仕掛けている。ハツラツとしていて明るい。偽名は、顔は全然違うが豪快に笑うイメージのせいか、少し柴田理恵さんに似ている印象を抱かせることから。

⑥伊東さん

60代後半の男性。いつも関西訛り。35歳の娘さんがいる。違う課の社員だが席が背中合わせの位置で、時々話しかけてくれる。また、私の事をよく気にかけてくれている。偽名はぽてっとしたフォルムや顔の形が与える印象が伊東四朗さんに似ていることから。


このように、自ら進んで情報収集したわけでもない私が、なぜかこんなにも情報をもっている。なんてオープンな関係なんだろう。

上記メンバーをはじめとする15名ほどの社員+派遣社員が働く、昭和アットホーム企業本社が、このブログの舞台となる。

ちなみに座席としては、

① ⑤③
■ ■■■②
  私④  (■が机)

となっていて、通路を挟んで私の後ろが⑥の伊東さんだ。

したがって、この人物たちが発する言葉は、否応なしに私の耳に入ることになる。

「お尻が痛いんだけど」に戸惑う

蜜さんに記事冒頭の言葉を投げかけられたのは、2019年の7月。あれから10ヶ月が経つ今も鮮明に覚えているくらい、大きな衝撃を受けた出来事だ。

私にとって、このような必要のない、何かの質問ですらないつぶやきは、よほど親しい友達か家族にしか発信したことがなかったし、受け取ったこともなかったから。

その時は変な汗をかきながら、なんとか蜜さんの座席に敷かれているクッションのことについて聞いてみたりしたような気がする。その会話はそこそこ続いて、私が前の職場で使っていたクッションをこの職場にも持ってくるきっかけにもなった。

アットホームな職場を謳う会社にも色々あるとは思うが、この会社はこういう種類のアットホームかと思った。真っ先に「実家かよ」と思った。とんでもない異文化体験ができそうだぞ、という予感が私を支配した、記念すべき日ということにしておきたい。

どうしてそんなに気になるの、夫が

実は私は、この昭和アットホーム企業で働き出す2ヶ月前に入籍したばかりだった。このことは、この職場で過ごしていくためにとても大きな役を買っている。

「旦那さんは何歳なの?どこで働いてるの?何の仕事をしてるの?」

入社初日、みんなでランチを食べようと誘われて入った食堂ではそんなことを聞かれた記憶がある。

この他にも、どんな人?出身は?お酒飲むの?料理するの?土日休み?残業あるの?等々、この会社内でのコミュニケーションの中には「旦那さんは…」という質問がやたらに多いなという印象がある。

冒頭に少し書いたように、私は信用した人にしかあまり情報を明かしたくない。そして、前職でも初対面でプライベートの事をガシガシ聞いてくるような人はいなかったので、それに慣れてしまっていた。

そんな中の旦那質問責めだったが、「旦那のことだし、まあいいか」と、それらの質問には正直に答えるようにしている。

もしかしたら、みんな私の”深入りしないでください”オーラに少し気付いていて、「旦那さん」という切り口をあえて使っているのかもしれない。それにしてもそんなこと聞いてどうなるのだろうと不思議に思わずにはいられない。

ちなみに、ヌレセパという音楽活動のことは決して明かすことはできないと思っている。絶対に大変なことになるからだ。なぜそう思うかは、この記事を読んでもらえたらどこかのタイミングで分かってもらえるかもな、と考えている。

締めの宣伝

締めには毎回ヌレセパのMVごっことその収録アルバムを宣伝していこうと思う。私の本業(収入源という意味ではまだまだ”本”にはなれないが)は、ヌレセパという音楽活動だ。私の作るコンテンツでは何が何でも宣伝したい。

今回紹介するのはMVごっこナンバー001、つまりヌレセパ初めての楽曲×㎹ごっこである『そんな時にはシャンソンを』。 「まあまあ慌てないで、なんとかなるさ」というようなコンセプトのこの曲を、心が詰まった時にはぜひ聴いてほしい。