平成生まれの寡黙OLが昭和アットホーム企業で働く

気になるLGBT差別―平成寡黙OL@昭和アットホーム企業

平成生まれの寡黙OLが昭和アットホーム企業で働く

気になる差別的発言の数々

「あの人”あっち”だからな~、隣に座ったらヤバそうだよな~(笑)」

私の入社に関係なく、その月は突発的な飲み会が予定されていたらしい。せっかくだから歓迎会も兼ねてと私も誘ってもらったのだが、上記はその飲み会に出席する取引先の男性を指しての、藤森さんの言葉だった。

どういうやり取りが続いたか具体的には思い出せないが、社長が同意して、下ネタを交えながらあれこれ囃し立てて笑っていたと思う。

そんなことは例え思っていても口に出すべきじゃないと私は思っている。でも、それらを積極的に口にして楽しそうに笑う人たちは、こういう風に存在するということを、初めて目の当たりにした。

そして、その会話を聞いた私が不快な気持ちになる可能性に1ミリも気が付いていないように見えた。なんだかすごくガッカリした。

私は自分がそういう会話を聞いてどうして不快になるのか、自分の気持ちをしっかりとは理解していない。でも、中学や高校の同級生に同性愛の子がいることを知っていて、その子が悪い子でないことも知っていた。

だから、わざわざそういうデリケートな部分だけを突っついて、話のネタにしたり蔑んだりすることに嫌悪感を覚えるのかもしれない。放っておけよというのが一番の気持ちだ。

しかし社長のLGBT差別発言はとどまることを知らない。先述の男性について、「あいつすごく色んな所に旅行に行くんだよ。金持ちだよね。どうしてかわかる?スポンサーがいるんだよ、男のね。おじさんがあいつにお金あげてるの。意味わかんないよね。可愛い女の子に貢ぐならわかるけどさ」

さらには自分の会社の社員で、他の支店で働いている女性についても、「あの子ね、レズなんだよね。今の彼女と結婚したいらしくてさ。親御さんに紹介したらきっとひっくり返っちゃうよね。しかもお笑い芸人の○○みたいな顔してるの。美人同士でレズならまだいいけどさぁ~」

…ツッコミどころが満載である。私が独身だったら、「私も彼女いるんですけどね」と言ってみようかと、本気で悩んだと思う。しかし、既に旦那がいることで異性愛バレしているので残念だ。極力話に加わりたくない私はスルーに徹するのみである。

ただ、社長や藤森さんのこういった発言にはもっと大きな問題がある。時々私に「ね、エモトさんもそう思うでしょ?」と投げかけてくることだ。

私が不快に思う可能性を考えないどころか、同意見だと思い込んでいるなんて、体内の空気全部をため息として吐き出したところで足りない。そしてなんだか少し悲しいことだと思う。

親切な人なら、「そういう話は人前でしない方が…」なんて助言して差し上げるのだろうか。私はこの件で、社長や藤森さんと良好な関係を築くことを諦めてしまった。そもそも職場での人間関係に重きを置かない私だ。自然の流れ以外に無理して誰かと仲良くする必要はない。

というわけで、そんな時の私は口角を僅かに上げ目を細めて、否定とも肯定ともつかない、くしゃみをする前みたいな声を出して終わりにするのだ。仲間にならない。敵にもならない。私はこれを昭和アットホーム企業で過ごすための鉄則として定めた。

締めの宣伝

忘れてはならない、私が歌担当として活動している”めおとロックバンド”ヌレセパの宣伝の時間だ。嫌悪感を抱く方もいるかもしれないが、あえて宣伝という言い方をしたい。プロモーションでもいい。

実はこの寡黙OL@昭和アットホーム企業という企画は、どうしたらヌレセパをより広く知ってもらえるか、という試行錯誤の一環だからだ。

今回紹介するのはMVごっこナンバー002、『心を見てほしい』。前回に引き続き主演は20歳の私だ。恋人の気持ちが自分以外に向いていることに気付いてしまった女の子が、壊れかけの恋愛を無機質に歌うちょっぴりダークな曲になっている。