平成生まれの寡黙OLが昭和アットホーム企業で働く

女の子だから○○―平成寡黙OL@昭和アットホーム企業

平成生まれの寡黙OLが昭和アットホーム企業で働く

気になる”女性”の扱い方

前回の記事の舞台となった年末の納会で、途中参加した取引先の木下さんという方が、柴田さんを連れて二人で会場を去った。そして、数十分後に帰還した二人の手にはおつまみやお酒が入ったビニール袋の他に、ツルツルとした小さな紙袋がいくつかぶら下げられていた。

可愛らしい色合いのその紙袋が木下さんから手渡されるのは、私を含む女性6人だった。

「女の子に、お土産だよ」

ほろ酔いの木下さんが私のところにも来て紙袋を差し出す。「ありがとうございます」と受け取ったそれには、ジュエリーボックスのような箱が入っていて、中身はちょっと良いチョコレート菓子のようだった。木下さんと私はその時点でほぼ初対面だった。

女だからという理由でお菓子をもらう。取引先からもらったちょっと良いオリーブオイルやお米をもらう。女の子は2つ食べていいよ。女の子は先に選んでいいよ。

昭和アットホーム企業にはそういうことがとても多い。そして木下さん含む周りの企業にもそういう風潮があるのだろう。私はその理由が分からない。女性がちょっとお得になるレディースデーみたいなものかとも思うが、それは集客手段で、やる側にもメリットがある。ではどうして?

どうぞと言われればもらえるものはもらい、選べるものは選ぶ。でも、私が男だったら、こんなに美味しいお菓子をもらえないのかぁ。リッチなオリーブオイルのお裾分けはないのかぁ。好きな種類選べないのかぁ。別になんてことない些細な違いだが、「女の子だから」と前置きされると、なんともモヤモヤした気持ちになるのだ。

また別の話だが、昭和アットホーム企業本社のフロアには大きなシュレッダーがある。70Lのごみ袋がセットされていて、満杯になるとそれを1階のゴミ捨て場まで階段を使って持って行く。私も何度かゴミ袋が満杯になる瞬間に出くわしたことがるが、取り出した袋の口を結んでいると、だいたい男性から声が掛かるのだ。

「それ持ってかないで、女の子はいいんだよ。僕が持って降りるから、置いておいてよ」

寡黙OLにとっては親切を断るのも面倒なので、それはどうも、ありがとうございます、とお願いするが、中身は紙なのだから大した重さもなく、健康な23歳が怪我をするはずもない。一体どういう気持ちで申し出てくれているんだろう。もしかしたら本人も分かっていないのかもしれない。

女だからとか男だからとか、そういう風に何かを分けることにどんなメリットを感じているんだろう。いつか社長が言っていた、「男が男に貢ぐなんてさ、女の子にならわかるけど」という言葉を思い出す。女の子に何かしてあげる男の自分、という構図が好きなのだろうか。だとしたら、そんな自己満足のために私の”女”という性別を利用されるのはちょっと良い気がしない。

でも、木下さんがくれたチョコレート菓子は、素直に美味しかったな。

締めの宣伝

実はまだ、もらったオリーブオイルを開封もできていない。そんな私エモトモエが歌担当として活動する”めおとロックバンド”ヌレセパのMVごっこを、今回も遠慮なく宣伝させていただこう。

今回紹介するのは㎹ごっこナンバー007『空っぽの』。幸福感あふれる優しい恋愛をつぶやくように歌うアコースティックな一曲だ。静かでスローな曲だから、ちょっとしたブレークタイムや、夜の就寝前に聴いてもいいかもしれない。